ロードテスト フォルクスワーゲン・ポロGTI+ ★★★★★★★★☆☆
公開 : 2018.12.09 11:40 更新 : 2018.12.13 13:13
結論 ★★★★★★★★☆☆
スリルは不足気味でも、使い切れるパフォーマンスが魅力
最新のポロGTIは、若い世代が腕を磨くための伝説的なクルマではなく、もはや正真正銘のスポーツカーとしての完成度を持っている。ゴルフGTIと同じユニットを中心とする優れたパフォーマンスレベルは、クルマとしての立ち位置を明確にしているうえ、投入された技術レベルは、かつてない内容になっている。
英国のどんな道を持ってきても、滑らかさと落ち着きでこたえるシャシー性能は、Aセグメントというカテゴリーの枠を超えている。またインテリアの実用性の高さや作り込みも、クラストップの内容で、かなり魅力的に感じるひともいるだろう。
フォード・フィエスタSTやミニ・クーパーSが備えているような、比較的容易に引き出せる、シャシー性能の奥深さという面では、ポロGTIはややもの足りないことも事実。また、デザインやパワートレイン、ハンドリングなどは、明確な個性というよりも、ややクールで実直な味付けに感じられる。スーパーミニというカテゴリーにおいては、もう一味欲しいところではある。
だとしても、AUTOCARの読者なら、ポロGTIを選んで後悔することはないだろう。きっと満面の笑顔で、走り回れるに違いない。
担当テスターのアドバイス
リチャード・レーン
今回のテスト車両の価格は、ほぼ2万6000ポンド(384万円)。フル装備の豪華版だとはいえ、ルノー・メガーヌRSのベーシックグレードまで残り1500ポンド(22万円)に迫っている。なかなか悩ましい設定だ。
サイモン・デイビス
確かにDSGはスムーズでレスポンスに優れているものの、このクルマの場合はマニュアルが最適だろう。英国の場合、間もなく登場する予定となっている。
オプション追加のアドバイス
ポロGTIや今回テストしたポロGTI+は、基本的に装備が充実している。めぼしいオプションとしては、デュアルゾーンエアコンが415ポンド(6万円)、寒冷地仕様が285ポンド(4万円)、ディスカバー・ナビゲーションシステムが650ポンド(9万円)という設定になる。パノラミックサンルーフは、900ポンド(13万円)もするから、不要かもしれない。
改善してほしいポイント
・本物の機械式LSDがが欲しい。フォード・フィエスタSTの場合、850ポンド(12万円)のオプションとはいえ、効果的なアイデムだ。
・フロントシートのサイドサポートは、もう少し大きなものでも良い。助手席の不安感も減るはず。
・ステアリングの挙動をもう少し柔軟なものにして欲しい。