龍の棲み処にて ギルバーンとTVRの歴史をたどる 「インベーダー」試乗
公開 : 2018.12.09 15:40 更新 : 2021.02.17 17:44
1967年に生産開始
最初の計画はクルマをキットとして売ることだった。購入者が中古のメカニカルパーツを寄せ集めるのだ。最初の試みは悲惨な結果だったので、スミスとフリーズはGTをコンポーネントカー、つまりエンジンやギアボックスも含めて真新しいパーツを含んだキットとして販売することにした。オーナーはペイント、内装、ワイヤリングなどがすでに施されているボディにこれらのパーツを取りつけるのだ。
1961年、ギルバーンは古いレッド・アッシュ炭坑のあるランウィット・ファーダーへ移転し、1967年にジーニーという名前の新しい2+2モデルの生産を始めた。エンジンは当時最新だったフォード製のエセックスV6だ。
1969年、ジーニーはシャシーと内装をモディファイされ、インベイダーという名前になった。二代目は1969年に登場し(シャシーのフロントセクションが再設計された)、三代目は1973年初めにデビューした。
トレッドとホイールアーチは広がり、三代目コルチナのリアアクスルなど、主にフォードが提供するランニングギアが搭載されていた。二代目はトライアンフ・スタッグのドアハンドルがついているのでそれとわかる。三代目はフレアのホイールアーチなので、先代と容易に区別がつく。
モーガンのクルマは1972年のモデルだ。このクルマが製造されたころには、コンポーネントカー、キットカーに対する税金の優遇処置はなくなっていた。決して安いクルマではない。ギルバーンは心配なほど高価になっていた。インベイダーの当時の価格は2600ポンド(37万7000円)と少し。これはジャガーXJ6とまともに競合する価格だ。