龍の棲み処にて ギルバーンとTVRの歴史をたどる 「インベーダー」試乗

公開 : 2018.12.09 15:40  更新 : 2021.02.17 17:44

新型グリフィスの登場

当時、この会社は英国始まって以来最大のスタートアップだった。今では工場に人気はなく、シートは垂れ下がり窓は壊れている。ゲートはチェーンで封鎖されており、保安通知が貼ってある。この工場で仕事が行われていた光景は想像できない。

2017年のグッドウッド・リバイバルでグリフィスが披露されたとき、エドガーは2019年の末までには最初のクルマが販売されるだろうと予測していたが、そうならないことは明らかだ。ギルバーンの話は良い参考になったはずなのに。

小さな自動車メーカーが1960年代と1970年代初めに直面した問題は、今日のTVRが直面している問題とそれほど違わないからだ。ギルバーンの開業当時、スミスとフリーズは、少量ゆえにパワーユニットやギアボックスを地元のディーラー経由で買わざるを得なかった。後になってギルバーンは直接フォードから購入するようになった。TVRの(マスタング)コヨーテV8の扱いも同じだ。

ギルバーンが1970年代初めに対応を迫られた石油危機がTVRには訪れないことを願うが、ランウィット・ファーダーの会社のように洗練競争の試練を受けるだろう。グリフィスはインベイダーよりもさらに厳しい競争にさらされる。XJ6やインベイダーのねちっこいパワーウインドウを思い出してほしい。

新しいオーナーの販売目標は野心的過ぎると考えたスミスとフリーズはギルバーンを去った。新しいTVRを年2000台販売するというエドガーの計画は、同じくらい野心的だ。エブベールのラッソー工業団地を次に訪れるのは、新しいTVRグリフィスのテストカーを取りに行く時になることを期待したい。楽しみにしている。

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