試乗 ヒュンダイ・ヴェロスターN お買い得なパフォーマンスハッチ
公開 : 2018.12.28 10:10 更新 : 2021.03.05 21:37
どんな感じ?
楽しめる走り 硬い乗り心地
ヴェロスターNは愉快かつ直感的なクルマだ。i30Nと同様、ヴェロスターNも洗練性よりもスリルを重視して仕上げられている。昔ながらのターボラグもはっきりと感じられ、一呼吸置いてから加速する感覚だ。ブーストが立ち上がれば鋭いエグゾーストが響き渡る。Nモードに設定すればスロットルのレスポンスが向上するほか、他の設定もシャープに変更される。
i30Nと同じくトルクステアが強めだ。手に負えないような感覚はないが、荒れた路面ではフロントのタイヤとサスペンションが駆動力を伝達するのに苦労しているのがわかる。グリップレベルは高く、LSDは低速で負荷のかかるコーナリングでは非常に頼もしい。リアはおおむねニュートラルだが、オーバーステア傾向になることもある。
6速MTの動作は正確だが、今回の試乗車のクラッチは低速での扱いが難しかった。ブレーキは踏み始めが若干固いが、その効き方に不満はない。
このクルマの性格上、硬い乗り心地に文句をいうのは的外れだろう。減衰力可変ダンパーをもっとも柔らかくしても、ミシガン郊外の荒れた路面で飛ばされないようにするのが大変だ。スポーティなモードを使うには綺麗な路面でなければならない。ロードノイズは大きく、インテリアからはチープな匂いがする。ベースモデルの50%増しという価格を考えるとやや残念だ。
この奇妙な3ドアレイアウトは実用性との兼ね合いによるものだろう。ある面ではややいびつなクーペのようにも見え、またある面ではやや絞られたハッチバックに見えるだろう。