試乗 ホンダNSX 2019年モデル 変わったところ、改善希望のところ
公開 : 2018.12.06 10:10 更新 : 2018.12.06 10:28
「コーナリングの限界が高まったのは間違いないが……」
インテグレーテッドダイナミクスシステムは、まずはデフォルトというべきスポーツモードで走り出す。
それでも乗り心地は硬めで、不整路ではフロントが19インチ、リアが20インチのコンチネンタルの上下動を感じさせるが、幸いボディ剛性はそれを不快に感じさせないレベルにある。
そうこうするうち長尾峠に突入すると、そこに延々と続くタイトコーナーにおいて、NSXはいきなり切れ味鋭いコーナリングを発揮し始めた。
前後スタビライザーを一段と締め上げるなどして初期型よりロール剛性を高めたサスペンションは、ステアリング操作に鋭く反応して、ロールをあまり感じさせずに素早く向きを変える。
コンチネンタルタイヤが新仕様になって一段とグリップが上がり、そこにさらにトルクベクタリングの効果も加わるから、いわゆるアンダーステアの傾向を最小限に抑えて、タイトベンドの連続をステアリングを操作したとおり、ほぼオンザレール感覚で走り抜けていく。ロールはさほど感じられず、鮮烈に実感できるのは強烈な横Gだけだといっていい。
つまり2019年モデルNSX、ホンダの意図したとおり、ダイナミックな性能が一段とアップし、コーナリングの限界が高まったのは間違いないといえる。
ただしその反面、少なくとも公道を走る範囲では、クルマに乗せられている印象が以前より強くなって、ドライバーが自分でコントロールしている実感が希薄になった、と感じたのは筆者だけだろうか?