ロードテスト プジョー508 ★★★★★★★★☆☆

公開 : 2018.12.08 10:10

 

意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆

大幅に生まれ変わった新しいプジョー508。一回り大きかった先代モデルとの関連性は、もはや感じることはできない。テールライトの全幅いっぱいに伸びるデザインや、フロントバンパーに刻まれた縦に伸びるLEDライトは、2017年のジュネーブ・モーターショーで発表されたコンセプトカー、インスティンクト・シューティング・ブレーク・コンセプトを連想させる。この価格帯としてはかなりエッジの効いた処理だ。

2.5ボックスともいえるファストバックスタイルのボディに、サッシュレスドア、クロームメッキ仕上げのマフラーカッターと、ホイールアーチいっぱいに収まる大径のホイール。そこかしこにデザイン・ディレクターのジル・ヴィダルによるコダワリが見える。


もしアウディA5スポーツバックのスタイリングが好みなら、きっと508にも目が奪われるはず。複雑なCピラーからリアフェンダーにかけてのボディパネルは、かなり高度なプレス技術が必要になるだけでなく、スポーツカー的な雰囲気も漂わせている。

近年大型化が進むDセグメントにおいて、508は先代よりも全長で80mm、全高では51mmと、かなり小さくなっている。ライバルとなるフォード・モンデオやスコダ・スパーブより一回り小さい。全幅は30mm広がっているが、最小回転直径も小さく収まっている。

新しい508の車重はグレード平均で先代よりも70kgも軽量化。その理由は、巨額を投じて開発された、プジョー3008や5008も採用する、EMP2と呼ばれる新しいスチール・モノコックをベースにしていることが大きい。ボディ剛性も高められているから、優れたハンドリングにも貢献している。

今回のテスト車両は、PSAグループによる2.0ℓの4気筒ターボディーゼル・エンジンを搭載し、8速ATを介して前輪を駆動。最高出力は163psか176psを選べる。エントリーグレードとして、1.5ℓディーゼルもラインナップし、こちらはマニュアルのみ。最高出力は130psに留まるが、二酸化炭素排出量はわずか98g/kmとなる。

欧州の場合、企業などにカンパニーカーとして納車するフリート販売の割合が高い、Dセグメントのサルーンだから、ガソリンモデルが占める割合は1〜2割程度になるだろう。そんな、少数派と見込まれるガソリンエンジンは、1.6ℓの4気筒ターボで、最高出力は180psと224psの2段階が設定される。

ドライブトレインの内容はやや保守的に思えるが、プジョーによればEMP2プラットフォームは、マイルド・ハイブリッドやプラグイン・ハイブリッドにも対応しているとのこと。プラグイン・ハイブリッドの場合、電動モーターがリアタイヤを駆動するシステムとなり、来年には登場予定だという。ハイブリッド・システムを搭載したとしても、車内空間や、潤沢とはいえないラゲッジスペースには、影響を及ばさないそうだ。

その他、シャシー周りは比較的コンベンショナル。フロントサスペンションはマクファーソンストラット式で、リアサスペンションはマルチリンク式となる。エコモードからスポーツまでのドライブモードの変更に対応するアダプティブ・ダンパーは、トップグレードのGTのみが標準装備。残りのグレードは、通常のパッシブダンパーとなる。タイヤは、われわれの試乗車には、19インチのホイールに、やや控えめな235/40というサイズが装着されていた。

 

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