日産、不適切な完成検査でリコール 後輪ブレーキ検査に、駐車ブレーキ使用

公開 : 2018.12.07 18:45  更新 : 2018.12.07 19:03

再発防止策を一層強化

2018年9月26日付け発表「完成検査における不適切な取扱いへの対応等について」に記載している通り、現在、再発防止策77項目について着実に実行していくこととしている。ただし今回の背景には、完成検査工程における完成検査員の動作に関する解釈に余地が残されていたことや、禁止事項についての理解不足があると思われるため、以下の点を新規に追加し、再発防止策の強化を図ることとしている。

1. 禁止事項の周知

標準作業書に禁止事項の記載を追加し、標準作業における禁止事項の確認と教育の実施

完成検査任命教育において、禁止事項の教育を追加し、実施

完成検査工程全般における作業観察を見直し、標準作業の遵守に加え、新たに禁止事項等の不適切作業を監視

2. チェック機能の強化

検査員の作業観察をするとともに、検査員が相談できる作業監視員を検査ラインに新たに配置

標準作業の手順遵守を確認するためのカメラを検査ラインに新たに設置

3. 以下の物的対策による当該案件の再発防止

不適切事案の再発防止に向けた物的対策は下記の通り。

A. 後輪ブレーキ制動力の検査において、駐車ブレーキレバーを使用して測定した行為
B. 駐車ブレーキ制動力の検査において、ブレーキペダルを使用して測定した行為

(ブレーキ検査装置に制御装置を追加)
ブレーキ制動力検査中に駐車ブレーキと主ブレーキ(前輪・後輪)を同時に操作した場合、自動的に検査無効とする。

(ブレーキ検査装置に輪留めを設置)
検査装置上で車両姿勢が変動する結果、ブレーキ検査結果が不安定になる、という現象の発生を止める。

C. ステアリングの切れ角検査において、社内基準値内に収めるために、ステアリングを戻して測定した行為
D. ステアリングの切れ角検査において、社内基準値内に収めるためにステアリングを左右いずれかに切ってから測定を開始した行為

(ステアリングの切れ角検査の社内基準見直し)
同検査が車両の設計値と合致して有効な検査を行う為にステアリング切れ角社内検査の規格を修正。

(ステアリング切れ角検査装置に制御機能を追加)
ステアリング切れ角検査開始時にステアリングを切った状態から検査が開始できないようにする。

E. スピードメーターの検査において、40km/hの速度を維持して測定すべきところ、40km/hに到達した瞬間に測定した行為

(スピード判定プログラム変更)
車載メータによる計測で40km/hになったところで紐を引き、速度が1秒間規格内に収まらなければ無効とする。

F. サイドスリップの検査において、社内規定速度(5km/h)を若干超える速度(6〜8km/h程度)で測定した行為

(サイドスリップ検査装置の通過速度測定)
通過速度が規定内であることを判定するランプを設置する。

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