中国ベストカー選手権 中国製モデル最高の1台はどれ? 比較テスト

公開 : 2018.12.23 11:40

欧州上陸が楽しみ 心に響くモデル

この判断は、トランプチが持つ現代的なパッケージだけでなく、その優れたドライビングフィールが理由だった。ブラインドテストであれば、おそらく数多く存在するそれほど名を知られていない欧州製ファミリーSUVの1台だと思っただろう。かつて無かったことだが、このクルマはドライバーとの繋がりが感じられないとの理由で即座に切って捨てるようなモデルではなかった。大きな進歩であり、欧州市場への進出意欲を明らかにしたGACの具体的な販売計画を楽しみに待ちたいと思う。

トランプチ以外にも印象に残った中国製モデルがあった。ジーリー・ボーユエはトランプチと非常に似たパッケージングを持ち、そのドライビングフィールは星半分ほどの違いでしかなかった。柔らかな乗り心地が特徴的なハヴァルH6は、米国市場で販売されるSUVが得意とするバリューフォーマネーなモデルであり、まさに米国にぴったりなモデルだと言えるだろう。米国の路上を走り廻るこのクルマの姿が想像できないだろうか?


トランプチの魔法をMPV部門ではBYDソンマックスが見せてくれた。素晴らしいドライビングフィールと見事なスタイリング、そしてテスラを思わせる巨大なスクリーンが特徴的なインテリアを持つモデルであり、このクルマもブラインドテストを行えば、中国製だとは思わないだろう。

残ったモデルたちだが、その退屈なドライビングフィールと時代錯誤のインテリアのせいで、残念な評価に終わった。

セアト・アローナほどの大きさのバオジュン510は6000ポンド(87万円)からという価格で知られており、姉妹モデルのバオジュン730も4.8m級の7シーターSUVでありながら、そのスタートプライスは1万1500ポンド(166万円)だ。ビュイックGL8 MPVは4万2000ポンド(607万円)という価格が示すとおりのプレミアムモデルだが、そのプライスタグに見合ったフィールは感じられなかった。

一方、今回もっとも安価なモデルは先にご紹介したとおり、ウーリンのホングァンであり、表彰台を争うようなことはないだろうが、ポイントには繋がらなくとも心に響くモデルだった。

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