試乗 新型トヨタ・スープラ・プロトタイプ(A90) BMW Z4兄弟車、日本で評価
公開 : 2018.12.08 00:01 更新 : 2021.01.28 18:01
7000rpmまで踏み込む
短いストレートに至り、アクセルを全開にすると、3000rpmあたりから落雷のごとき男性的な咆哮を叫び始める。スピーカーからつくった音を流しているそうだけれど、これぞバイエルン謹製3ℓ直6ターボ・エンジンならではのサウンドで、7000rpmまできっちり歌いあげる。それも、ZFの8速ATが自動変速するにつれ、音階を変えながら、完全バランスの無振動で。
次の直角コーナーの手前でブレーキングすると、自動的にブリッピングしながらダウンシフトする。そこからアクセルを開ければ、ターボラグをほとんど感じさせないまま加速に移る。エンジンのトルクの厚みが違う。声が違う。重みが違う。
当たり前である。新型スープラはパワートレインを含めたシャシー、プラットフォームなど、基本的なハードウェアを、8月のペブルビーチで発表された新型Z4と共有するのだから。
ただし、開発は別個に行われていて、チューニングはトヨタ独自とされる。残念ながら筆者はZ4未経験なので、そこのところの区別がつかない。推測で申し上げれば、BMWが本来持っているソリッドさが後ろに引っ込んで、なんとなく丸みを帯びているような気はする。
ドライビング・モードはノーマルとスポーツの2種類で、スポーツの方がサウンドは大きくなるし、エンジンのレスポンスもくっきりしていて、断然いい。
タイヤは19インチで、前255/35、後ろ275/35という異形サイズのミシュラン・パイロット・スーパースポーツを履いている。サーキットの路面は平滑のため、一般道での乗り心地は不明ながら、おそらくそうとういい。ノーマル・モードだとコーナリング中ロールを許すし、ボディ剛性がLFAより高いときているのだ。