試乗 新型トヨタ・スープラ・プロトタイプ(A90) BMW Z4兄弟車、日本で評価
公開 : 2018.12.08 00:01 更新 : 2021.01.28 18:01
A90型 そのデザイン
会場で目にするスープラの姿は、1993年から2002年までつくられたA80型系ではあるものの、そこにヨーロッパの血が入って、パーソナル・トレーナーが鍛え上げたみたいな雰囲気だった。
フロントのF1ノーズは、シャシーからエンジンまで全部自前でつくってポール・ポジションも獲得したトヨタF1を彷彿させる。正直1回でも優勝していたら……と思っちゃうけれど、お父さん、それは言わない約束でしょ、ということかもしれない。それもまた哀愁を漂わせてる味になっている、と考えるべきだろう。
全体の雰囲気、ノーズ以外はイギリスのバックヤード・スペシャルのマーコスとかTVR T350みたいで、個人的には好みである。面と面が入り組んだキュビスム的な手法もこんにち的でカッコいい。
もっともこの日はあくまでカモフラージュ塗装のプロトタイプ試乗会だから、トヨタからデザインに関するお話は一切出なかった。
試乗前になされた説明によると、開発に当たっては、直6エンジンとFRのふたつをスープラの継承すべきヘリテイジだと考えたという。そして、86と同様、数値よりもフィーリングを重視した。開発責任者は86を手がけた多田哲哉チーフエンジニア(CE)である。
さらにスポーツカーの運動性能を決める基本3要素にこだわった、ということが強調された。ホイールベース、トレッド、重心高のことだ。