元マクラーレン 伝説的デザイナーに独占インタビュー 関心、地上から空へ

公開 : 2018.12.24 17:10

独特のアプローチ 満場一致

「各チームはいかなる方法でのコミュニケーションも禁じられていました。最終的にゲイドンにあるいまでは英国自動車博物館となっている場所でそれぞれのモデルを発表し、7人ずつ集まったローバーとBMWの重役たちが最終決定を下すことになったのです」

それぞれがまったく異なるモデルだったとスティーブンソンは話す。あるデザイナーは「6カ月を寝て過ごし」て、旧ミニをそのまま大きくしたモデルを披露した。6カ月間「違法薬物を吸い続け」たデザイナーもいた。だが、スティーブンソンのようなやり方をしたものはいなかった。

彼は最初の数週間で、もし1959年からミニが成長を続けたとしたら、それはどんなものだったかを想像したのだ。1969年に新たなデザインを与えられ、1979年には安全性を重視するあまりひどく無骨になり、1989年の原点回帰を目指したスポーティでエモーショナルなデザインを経て、1999年のデザイン案へと辿り着いた。


14人の重役は全員一致でスティーブンソンのデザインを選び、それ以外は歴史の一部となった。この話は、いま撮影が行われている彼のキャリアを記録した来年公開予定の映画のなかで、さらに詳細が語られ、そこで初めて彼が思い描いた各年代のミニの姿が明かされる予定だ。

興味深いことに、こうしたデザインのなかには、狂乱の80年代後半の雰囲気を踏まえ、その10年後を想像した2009年のミニも含まれているという。そのデザインと現在BMWが販売している実際のモデルとはそれほど似ていないようで、スティーブンソンは笑みを浮かべながら、現行モデルはもう少し時代を先取りしても良かったとでも言いたげだった。

いずれにせよ、来年映画が公開されれば、フランク・スティーブンソンの輝かしいキャリアの新たな一面が見られるだろう。

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