AUTOCARロードテスト90周年(5) インテリア、どう変わった? 混沌の歴史
公開 : 2018.12.16 11:40 更新 : 2018.12.16 16:51
機能性が重要 マルチスクリーンは必須
シフトレバーは短くなり、パワーステアリングの登場によってステアリングホイールは小さく、ドライビングポジションはよりゆったりとしたものとなった。
かつてはどのモデルも同じようだったメーターだが、1950年代からは米国メーカーを筆頭に独自の設計を行うようになり、なかには1960年代、フィンテールの愛称で知られたメルセデスのまるで温度計のような縦に表示する方式のスピードメーターや、1980年代のBMWに見られた非常に視認性に優れたデザインなどが生み出されている。また、80年代に登場したデジタルメーターは一旦廃れたものの、性能向上が著しいデジタルスクリーンによって再び復活を遂げている。
スイッチ類も使用頻度や使用目的に応じ、整然とレイアウトされるようになり、ダッシュボードやフロアの機能をステアリングコラムへ移した1963年のローバーP6は、その嚆矢とも呼べる存在だった。また、ヴォクゾールはスイッチの形状をそれぞれ変えることで、触ればその機能が分かるようにしている。その後、2000年代にBMWがiDriveを開発し、多くの機能をひとつのダイアルとスクリーンを使ってコントロールできるようにすると、すべてが変わったのだ。
もはやこうした革新的なマルチメディアインターフェースなしに現在のインテリアは成り立たない。あるモデルでは、ダッシュボードのディスプレイにスマートフォンの機能を表示することができるが、1928年当時、こんなことはSFの世界でさえ夢物語だったのだ。