試乗 メルセデス-AMG A35 4マティック 306psに四輪駆動 楽しさ追求
公開 : 2018.12.11 10:10
進化したFFベースの四輪駆動
最新のフォード・フォーカスRSが搭載する後輪駆動ベースの四輪駆動とは異なり、前輪駆動ベースだから、ハンドリングの痛快さやスロットルでの姿勢変化の楽しみは、やや制限されるシステムではある。しかし、先代のA45に搭載されていた同様のシステムと比較して、最新のバージョンは大きく進化しているとAMG説明する。
リアタイヤの駆動力をコントロールするマルチディスク・クラッチをリアアスクルに一体化し、電動油圧式から電動機械式のアクチュエーターに変更することで、反応速度を短縮させている。このおかげで、後輪に駆動力が欲しい瞬間に、予見的にしっかりトラクションを掛けることが可能となった。従来の、フロントタイヤがスリップしてから駆動力をリアタイヤへ伝えるシステムでは、反応としては鈍かったといえる。
この4マティック・システムには、「ESP SPORT Handling(ESPスポーツ・ハンドリング)」や「ESP OFF」と呼ばれるスポーツモードも搭載し、リアタイヤの操縦性の自由度を高め、より機敏なハンドリングを可能にしてくれる。
高剛性化されたボディに合わせて、リアアスクルはリジットマウント化され、フロントのダブルウイッシュボーン・アームはラバーブッシュを介さず、ピロボール化。ただし、アダプティブダンパーはオプションとなる。ドライビング・モードには「Slippery(スリッパリー:滑りやすい)」モードも加わり5種類に。フロントブレーキは直径350mmの大径ディスクに4ポッド・キャリパーが採用された。アクティブ・スポーツエグゾーストは標準装備で、かなり騒がしい設定ながら、音質は非常に良い。A35の最高速度は249km/hで、0-100km/h加速は4.7秒とされている。
年末を飾るホットハッチを、地中海のマヨルカ島で味わわせてもらった。