AUTOCARロードテスト90周年(6) 最高速度記録更新の歴史 どこまで進化?

公開 : 2018.12.16 17:10

エンジンの進化は止まらず

エンジンだけでもその進歩は計り知れない。GMの研究開発部門がテトラエチル鉛(一般的には有鉛として知られている)を用いることで、効率的にエンジンのノッキングを抑制できることを発見したのは1921年のことだった。その後、有鉛ガソリンを使った技術はより洗練され、エンジン圧縮比を上げることに成功している。その直接的な効果が、燃費性能とエンジン出力の著しい向上であり、有鉛ガソリンが環境と人体への悪影響を理由に姿を消すまでには数十年が必要だった。

その後の数十年間も、エンジンの進化は留まることを知らなかった。可変バルブタイミング、エンジン電子制御や、さらに最近ではハイブリッドの登場によって、パワーが向上するとともに、燃料の改善をも実現している。

もちろん、1928年以降ではトランスミッションとタイヤ技術にも大きな進歩が見られ、こうしたすべてがスーパーカーやハイパーカーをさらに速くするとともに、通常のモデルをもオースチン・セブンのドライバーが想像した以上のペースで走らせることを可能にしている。

1955年に登場したメルセデス・ベンツの300SLは、ロードカー初のフューエルインジェクション搭載モデルとの栄誉をゴリアテGP700に奪われたかも知れないが、最高速度245km/hを誇るパイオニアと呼ぶべき存在だったことは間違いない。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事