試乗ポルシェ・マカン マイナーチェンジ 2ℓ4気筒 エントリーグレードを評価

公開 : 2018.12.12 12:23  更新 : 2018.12.12 17:04


丁度良いパフォーマンスとシャシー性能

ここまで読んで、2.0ℓグレードが資金に余裕のない人向けのクルマだと、安直には捉えないでほしい。マカンという名前には変わりなく、しっかりした魅力がある。このプロトタイプに試乗したのは既に1年近く前のことになるが、兄貴分の6気筒モデルと比較して、その完成度の高さに驚かされた。そして正式発表となった今回、改めて驚かされる仕上がりだったのだ。

乗り始めは少し物足りなく感じるかもしれない。しかし、エンジンが本領を発揮するのが比較的高回転域であることと、プログラムが新しくなったPDKの積極的な設定に気づくと、見方が一気に変わるはず。3.0ℓエンジンよりも2.0ℓエンジンの方が、サウンド面でも聴き応えがあり、エンジンを回して走るという体験の楽しさでは、上をいっている。

確かに、低回転域でのトルクがもっと太ければ、より優れた相棒になるだろう。しかし、フロントが軽量でパワーも控えめなおかげで、マカンのクリアなステアリングフィールやシャシーバランスの良さを味わうのに、限界領域まで踏み込む必要がない、という点は大きな魅力だと思う。

そもそもわたしの場合、ハイパフォーマンスSUVをハイスピードで走らせるということに、さほど楽しさを感じないのだ。ストレートで一気に加速したとしても、ブレーキングは早めに行い、しっかり速度を殺してコーナリングするというリズム感が、好きになれない。

反面、この2.0ℓのマカンなら、スピードもほどほど。ブレーキングもそこまで神経質になる必要がないから、クルマのパフォーマンスとシャシー性能とが、丁度良くシンクロするような感覚を味わえる。主観では、ディーゼルエンジンがないことは残念に思えるが、この2.0ℓのマカンこそ、それに代わるグレードだと思う。

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