新型BMW 3シリーズ 320d(G20)に初試乗 フルモデルチェンジ 走りは健在
公開 : 2018.12.14 10:10 更新 : 2018.12.17 14:05
明確に進化したハンドリング
Mスポーツ・サスペンションを装備していなくても、320dのハンドリングは素晴らしく、そのバランスと正確性の高さで並べるライバルは、少ない。コーナリングでは、アルファ・ロメオ・ジュリアほどではないにしろ、F30の時代よりも切りはじめの応答性や機敏さの面で向上している。
BMWのステアリングラックは、概して中心付近のスタビリティで優れ、路面からの感触も明確で、リニアなハンドリングを獲得しているが、このG20にも当てはまる。おかげで、ハイペースでのドライブも、より身近で楽しめるものに仕上がっている。
加えて、乗り心地の面でも上質。サスペンションとしては硬目の設定ながら、荒々しさや落ち着きのなさといった、ハーシュネスが気にかかるレベルではない。しかし、小さな起伏にはやや敏感で、大きな凹みなどでもしっかり振動を拾う印象はある。路面状況が芳しくない場合は、少し我慢も必要かもしれない。しかし、ほとんどの路面なら、心配する必要はなさそうだ。難敵だとは思うが、英国の道で乗る機会がきたら、しっかり確かめてみたい。
仮に3シリーズのシャープなハンドリングが期待通りでなかったとしても、車内空間は従来以上に上質で洗練され、心地よいデザインに仕上がっている。インフォテインメントシステムの出来も印象に残るほど良いと思うし、新しい機能も追加されている。番外編もお読みいただきたい。
とにかく、好むと好まざるとに関わらず、3シリーズは大きくなった。エクステリアデザインの完成度に関しては見ての通りだが、このボディサイズがもたらすドライビングの面での不安は、充分取り除くことができたことが、最大の成果だった。