マクラーレンMP4-12C 「雲の上」ではない? (比較的)お買い得 試乗

公開 : 2018.12.22 11:40

マクラーレンと聞くと雲の上の存在と思いがちですが、2011年デビューのMP4-12Cであれば、頑張れば手の届くところにまで価格は落ち着いてきています。今回はマクラーレン所有の個体を試乗しました。傑作とは呼べないまでも、やはりマクラーレンはマクラーレンだったようです。

もくじ

手の届くマクラーレン 中古車も改良済み?
試乗車はマクラーレン所有
乗り心地は良好 走るのが楽しい
類まれな魅力 思ったより近い存在
番外編1:故障はつきもの?
番外編2:中古MP4-12C 4選

手の届くマクラーレン 中古車も改良済み?

マクラーレンほど風変わりなメーカーは、少なくとも世界中で年間数千台のレベルで正規販売する会社では他にないだろう。SUVはおろか、+2のリアシートがつくクルマすらない。作ってきたのは、カーボンモノコックの真ん中にエンジンを積んだスーパーカーだけなのだ。それはつまり、ほとんどのひとには雲の上の存在でしかないということだ。

でも、本当にそうだろうか? 「はじめてのフェラーリ」などという雑誌記事も昔からあったことだし、マクラーレンにしてもいつしか雲の上からハシゴがおりてきて、思い切り手を伸ばせば届くところにきているのではないだろうか。そして、もう精一杯体を伸ばしてハシゴの横木を掴みにいってもいいのではないだろうか。

ちょっと前までは、答えは否だった。いちばんお手ごろということは最初期MP4-12Cになるわけだが、2011年デビュー当時は洗練性に欠ける印象でしかなかった。はじめはナビゲーションの性能も悪く、一見ではドアの開け方すらわからなかったし、ハンドリングもその年のベスト・ドライバーズカー選手権でははるか中位以下に沈む体たらくだった。そして必要に迫られたあげく、マクラーレンはたった3年でデザインや設計に手直しをくわえ、名前まで新しくする羽目になったのだ。


だが、時は流れて価格も下がってきた。7年前に16万8500ポンド(2404万円)したクルマが、いまはなんとその半額で買えるのだ。おまけに冗談みたいな話だが、おどろくことにクルマ自体も当時よりずっと良くなっているというのだ。

英国随一のマクラーレン専門店を営むアラステア・ボルスが説明してくれた。「MP4-12Cは2012年に大規模な改良を受けています。パワーが600psから625psに上がって、GPSナビとブルートゥース機能もつきました。しかもこれは、それ以前のクルマにも無償で提供されたんです。ですから、ずっと倉庫にしまっておいたようなクルマでなければ改良済みのはずです」

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