どんな感じ？

盛大なエネルギーに満ち溢れる

トラックホークが搭載するエンジンは、走行中は荒々しく回転するものの、意外にもクリープ時のアイドリングで加速し始めることはない。うっかりすると、このクリープ時の振る舞いのおかげで、サイドブレーキをかけたまま、かなりの距離を走ってしまいそうだ。ただ、ありがたいことに、足踏み式サイドブレーキの解除忘れを教えてくれる、警告灯が付いている。

車内はふんだんにレザーが用いられ、ダッシュボードにはインフォテインメント・システムも装備されているが、トラックホークから伝わる高級感は、正直いって薄い。インテリアパネルのフィッティングは完璧とはいい難くいし、インフォテインメント・システムの完成度も、9万ポンド（1305万円）もするクルマの割に、平凡なもの。アウディSQ7やポルシェ・カイエン・ターボなどの運転席周りと比較してみると、明確にグランドチェロキー・トラックホークの方が見劣りしている。

このインテリアのように、ドライビングフィールも、決して洗練されたものではない。しかし、そのいかにもアメリカ然としたバター臭い味付けを、変えようとも思わないだろう。グランドチェロキー・トラックホークは、モンスター級のエンジンから溢れ出る、盛大なエネルギーに満ちているのだ。

スロットル操作でエンジンノイズは躍動し、ペダルを踏み込むほどに、幾層にも重なる音響が変化していく。低回転域で微かにささやいていたスーパーチャージャーは、エンジンが中回転域に達すると悲鳴が大きくなる。さらに靴の裏がカーペットに触れる頃には、激しいエンジンの爆発音が覆いかぶさってくる。

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