ポルシェ・マカンS 2019年モデル試乗 デザインほぼ不変、性能向上
公開 : 2018.12.17 10:10
どんな感じ?
まるでポルシェ製2シーターモデル
ポルシェが今回マイナーチェンジを施す以前から、マカンはコンパクトSUVというカテゴリーの中でトップの機敏さを誇るモデルだった。その秘密は搭載される4WDシステムにあり、リアアクスルにトラクションの限界ギリギリまでのパワーを与え、そこからフロントアクスルが反応する。さらには、リアがフロントよりも大きい前後異径のセッティングもこの機敏さに貢献している。
以前からマカンSは曲がりくねった道路を得意にしていた。ステアリングは車高が高いクルマにしては正確で、フロントエンドのレスポンスもしっかりとしている。ほとんどのSUVはコーナーなどでレスポンスの悪さを感じるが、このクルマはまるっきり違う。 マカンSの最大の美点はその高重心が気にならないことだろう。よほど勢いよく曲がらない限りはロールも最小限で、ホットハッチと同じ感覚で運転できるところが本当に素晴らしい。
シートポジションもこの手のクルマにしてはかなりスポーティーにできている。ペダル類は自然に足を伸ばした先にあり、小径なステアリングホイールも体の近くにまで持ってくることが出来る設定で、このクルマをSUVではなく、まるでポルシェ製2シーターモデルのように感じさせる。
街中や細い路地を走る際も気にならないボディサイズだが、内装もフルサイズハッチバックと同等の広さを確保している。
オプションのエアサスペンションであれば、標準仕様よりも幅広い条件で快適性を確保できるが、純正21インチホイールを選択するとその効果が失われてしまうことには注意が必要だ。 搭載するV6エンジンは鋭いレスポンスで、アクセルを踏み込む力に応じてパワーを紡ぎ出す。マカンSでさえこうなのだから、さらに上のマカンターボやマカンGTSはどうなってしまうのか、全く想像がつかない。