ロードテスト スズキ・ジムニー ★★★★★★★☆☆☆
公開 : 2019.01.01 11:10
意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆
ラングラーにインスピレーションを受けて以来、スズキは全体的な美しさの上にGクラスの面影を重ねていたのかもしれない。しかし実物を前にすれば、紛うことなきジムニーである。その大部分はサイズのせいである。
以前よりもほんのわずか広く高く短くなった新型車は、フォルクスワーゲン・アップよりもちょっと長く、車幅は他のスーパーミニと測ったように同じだ。市街地での制約のせいだろう。しかしながら、ボクシーなジオメトリーで高さがあり、しっかりとした四つのホイールアーチを持っている。海外で見かけるさらに短い軽自動車スペックのモデルには欠けているものだ。
そのジャパン・スペシャルの派生車種は四輪を小さな650ccエンジンで駆動するが、英国で販売されるクルマは自然吸気の1.5ℓ4気筒101psのガソリンユニット(1.3ℓから拡大)が載せられ、5速マニュアルか4速オートマティックのギアボックスが組み合わされる。
前者のほうがわずかに燃費がいい(WLTPサイクルで12.7km/ℓ対11.4km/ℓ)が、ともに速いクルマではなく、0-100km/hは21秒程度、最高速度は二桁(160km/h以下)である。
ここでの焦点はオンロード走行ではない。「B級道路」よりも「砂利道」のほうがはるかにハードウェアの重要度は高い。ジムニーは、今まで通りスティールボディの下に独立したラダーシャシーを持っており(以前同様しっかりしている)、両端に3リンクのリジッドアクスルサスペンションが備わる。スズキはまた、耐久性を向上させ剛性をさらに高めるため、ラダーフレームにふたつのクロスメンバーを追加した。
一方、車のフロントアクスルハウジングは、より頑丈な高張力鋼製である。ジムニーは、ドライブラインを「2WD-ハイ」、「4WD-ハイ」、「4WD-ロー」のモードに機械的に切り替え可能なローレンジトランスファギアを持っているが、機械的なロッキングデフは持っていない。その代わり、スリップしたホイールに自動的にブレーキをかけてトルクを非対称に再分配する電子トラクション制御システムが備わる。
もしジムニーをもう少しサイズアップしたとしたら、その結果得られるオフローダーは、数字的にこの分野の卓越した一台になるだろう。ロードクリアランス210mm、アプローチアングル37度、そしてラングラーより優れるブレークオーバー・デパーチャーアングルを持つこのリトル4×4は、とても印象的なクルマである。