ロードテスト スズキ・ジムニー ★★★★★★★☆☆☆
公開 : 2019.01.01 11:10
内装 ★★★★★★☆☆☆☆
新しいジムニーのキャビンは、間違いなく20年前の先代の内装から大幅に改善されてるが、まだ完ぺきではないようだ。
ボクシーなボディは視界に優れるが、ステアリングコラムはリーチが調整できないので、運転者の中にはドライビングポジションがしっくりこない人もいるだろう。一方、コントロール類はごつごつした路面を走行中の使いやすさを考慮して設計されている(面倒なインフォテインメント・システムを除いて)。
ボタンとスイッチは大きくてがっちりしており、運転席からでも手が届きやすい。すべてよく出来ているが、触ってみると、使われている素材の見た質感や耐久性には疑問が残る。センタースタックの底に付いている一列のスイッチ(ウインドウ、トラクションコントロール、ヒル・ディセント・アシスト用)は特にちゃちな感じだ。
リアシートは子供ふたりなら十分快適だが(大人には明らかに狭い)、通常のポジションだと実用的なトランクスペースはない。バッグをひとつふたつおく場所はあるかもしれないが、その程度である。
シートを畳めば荷物スペースは十分広くなるが(830リッター)、完全な2シーターになってしまう。リアシートは標準的な50:50の分割折り畳み式なので、少なくともこれが折衷案だろう。
以上見てきたように、多くのSUVとは異なり、ジムニーはファミリーカーとしては中途半端である。学校の送り迎えは何とかこなすが、子供ふたりを乗せての週末の買い物はちょっと苦しいかもしれない。
しかし、家族の二台目のクルマとしてなら(よくオフロードを走るが、運ぶ荷物は多くはないというような用途なら)とても実用的だろう。