ロードテスト スズキ・ジムニー ★★★★★★★☆☆☆
公開 : 2019.01.01 11:10
乗り味 ★★★★★★☆☆☆☆
先代までのジムニーはラダーフレームとリジッドアクスルサスペンションのおかげで、より大きなより洗練された(より高価な、とは言わないが)SUVよりもオフロード性能は高かった。
一方で、小さいスズキのオンロードマナーがひどいのもこのフレームとサスペンションのせいだった。そしてこの最新モデルは、第三世代のジムニーが発売されてから20年もたっているにもかかわらず、そして幾分かは良くなってはいるものの、2018年においても同じトレードオフをまだ引きずっている。気分を和ませるような外観とは裏腹に。
ジムニーの乗り心地とハンドリングでもっとも苛立たしいのは低速域である。特に英国ではとても一般的な岩がごつごつした直線コースだ。乗り心地はせわしなく不安定で、とくに鋭いエッジではキャビンにかなり強い衝撃を伝えがちである。
オープンロードを飛ばす場合には乗り心地は少し落ち着き、サスペンションは本来の機能を発揮し始め快適な感じにある。しかし突然ボディが上下に揺すれらた場合にはダンピング不足が露呈し、路面からクルマが浮き上がってしまうように感じることもある。だから、ジムニーのオンロード性能には限界があるとつねに頭の隅に置いておくのが賢明だ。
ステアリングに関しては、スズキはジムニーに電動アシストのリサーキュレートボール式ラックを選択した。ロックツーロックは3.9回転で、オフロードでの操作性を考慮し特にスローなギアレシオとなっている。だからオンロードではドライバーはかなり忙しい羽目になる。
しかしそのおかげで、高速道路の走行では安定感が高まっている。同様に歓迎できるのはフロントタイヤの状況がステアリングから伝わってくることで、大まかではあるが有効な情報である。
ジムニーの機動性が本当に輝くのはオフロードだ。軽量で小回りが利きボディも小さいから、より重たい4×4なら躊躇するようなトリッキーな地形でもとても機敏に走り回ることができる。課題はものすごく険しい岩肌くらいだ。渡河水深はおそらく期待するより少し浅い(320mm)が、ジムニーの平均的ドライバーが必要とするような仕事には十分以上だ。