スズキ・ジムニー クリスマスツリーを運ぶ旅 スコットランドからロンドンまで
公開 : 2018.12.24 07:40
72km/hがやっと ニューカッスル到着
それなりの速度で走っていると、このクルマの4気筒エンジンは、3500rpmから6300rpmの間で0-97km/h加速が11.9秒のモデルとは思えない活発さを見せ、さらに、ストロークは長いものの、しっかりとした手応えのギアシフトは、先月ロードテストを行った車両よりも滑らかに感じられた。
速度を上げるとステアリングのゆったりとしたレスポンスがさらに明白になるが、この暗く凍えた夜に、われわれはクリスマスツリーを積んだままのジムニーで、十分な活気と快適さを感じながらハイランド地帯を駆け抜け、高速道路を南へと向かっているのであり、金属とガラスに枝があたって立てる音だけが、屋根に積まれたツリーの存在を主張していた。
2日目は西で強風が吹くとの予報から、A68号線でニューカッスルへと向かうことにした。しかし、ソートラ・ヒルの上からは猛烈に回転する風力発電機が見え、ここでも強風が吹き荒れていることを示していた。
屋根のツリーは激しく揺れ動き、ルームミラーはツリーの枝でまったく何も見えなくなった。ジムニーの最高速度は145km/hとされているが、荷物と風、さらにはツリーが生む空気抵抗のせいで、上り坂では72km/hがやっとの状態だった。
同じように強風が吹き荒れるカーター・バーでイングランドに入ると、文字通り先頭で空気を切り裂いてくれるホンダ・ジャズのスリップストリームに入ることで、ようやく法定速度までスピードを上げることができた。
夜と雨が降り始める前に辿り着いたニューカッスルでは、風雨のなかグレイ・モニュメントの下でクリスマスマーケットが開かれていたが、こんな夜はオープンエアのスツールではなく、暖かいパブこそが相応しい場所であり、われわれは直ぐにタイン・ブリッジを渡って、そのまま南へと向かった。