プジョー・シトロエンの新ディーゼル・ターボ・エンジン「DV5」 従来型と比較

公開 : 2018.12.18 06:40

DVの歴史 81%のパーツを新設計

DVのコード名が示すとおり、フォードとの共同プロジェクト “Gemini” の一環で開発された新型エンジン。1998年にデビューしたDVエンジンとはボアピッチの数字が共通となっている。

生産工場はフランスのTremery(トレメリー)とDouvrin(ドゥヴラン)だ。

グループPSAのエンジン・ラインナップのなかでは、B/Cセグメント向け新世代プラットフォーム「CMP」に適合するコンパクトさが売りで、従来型のDV6と比べて高さマイナス24mm、幅マイナス20mmを実現。

DW10FDと同等のパフォーマンスをダウンサイジングしながらも維持した。

開発目標としては、CO2および燃料消費率の削減を重視。また24カ月稼動後のクオリティの維持にこれまで以上に留意したほか、EURO6.2スタンダードに完全適合することが掲げられた。

16バルブ化を実施

DV5は、従来のDV6に対して81%ものパーツを新設計。主要な新開発部品としてコネクティングロッド、ピストン、クランクシャフト、シリンダーヘッドを新たに設計し直し、16バルブ化を行った(DV6は8バルブ)。

DV6との共通部品は、ハウジングキャップ、クラッチ、一部センサーとアクチュエーターという19%に留まる。

排ガス浄化システムもSCR+FAPからSCRFへと変更。インジェクションシステムの燃圧は2000barに達する。

EGR(排気再循環)バルブは新設計品で、水冷式となりシリンダーヘッドに内蔵。よりきれいな排気ガスとCO2削減を果たした。

排気ガス浄化関連の従来3つに分散されていたコンポーネントをひとつに統合したのも特徴。エンジン本体に近づけて排気ガスの温度低下を防ぎ処理の効率化を果たしている。この新型統合システムは「SCFR」(SCF on FAPもしくはClose couple SDPFの意)と呼ばれており、酸化触媒コンバーター、ミキシングボックス、ピュアSCRシステム、そしてSCR付きFAPが排気タービン直下に垂直に並べられ、ひとつのユニットになっている。

ミキシングボックスについては、グループPSAが取得した特許をベースにしているのがポイントである。

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