ロードテスト トヨタ・ヤリス(ヴィッツ)GRMN ★★★★★★★☆☆☆

公開 : 2018.12.31 11:40  更新 : 2021.03.05 18:46

 

意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

意匠と技術 ★★★★★★★☆☆☆

ヤリスGRMNと多くのホットハッチとで異なる顕著な部分は、エンジンだろう。2ZR-FEと呼ばれる1.8ℓの4気筒エンジンがボンネットに押し込まれている。チューニングはロータスが手がけており、スーパーチャージャーで過給される点が特徴。イートン製ローターを用いたマグナソン社製のスーパーチャージャーにインタークーラーを組み合わせてあり、トヨタ製V6エンジンで一般的なインジェクションシステムが燃料供給を行う。エアインテークも大型化され、最大出力212psを6800rpmで、最大トルク25.3kg-mを4800rpmで発生する。

このボディサイズに似つかわしくない大パワーは、6速マニュアルとトルセンLSDを介してフロントタイヤへと伝えられる。5年前にはこのAセグメントのクルマにLSDが搭載されることは珍しかったが、近年はだいぶ増えてきたようだ。

ヤリスの全長は4mを切っており、英国ではスーパーミニと呼ぶAセグメントの中でもコンパクトな部類に属する。この小さなボディだから、1.8ℓ4気筒エンジンの前方、ラジエターやエアインテークに並ぶかたちで、スーパーチャージャーなどの過給システムが押し込まれている。

パワートレインと同様に、シャシーにも大幅に手が加えられている。剛性向上のため、フロントサスペンションのストラット頭頂を結ぶブレースバーのほか、ボディ下面にもブレースバーを追加。フロントのアンチロールバーは直径26mmもある、太いものに置き換えられている。

フロントがマクファーソン・ストラット式、リアがトーションビーム式となるサスペンションには、ザックス社製のパフォーマンス・ダンパーを装備。コイルスプリングも強化され、車高は標準モデルより24mmも下げられている。背の高いプロポーションのヤリスにとって、重心高を下げるためには重要な手段だといえるが、ドライバーズカーと呼べるほど優れた魅力を獲得できているかどうかは、本校後半にて。

フロントとリアのディスクブレーキも強化品となり、制動力も向上。リアスポイラーやセンター出しのマフラー、リアディフューザー、17インチのBBS社製鍛造アルミホイール、赤と黒のストライプ・ステッカーなどが、攻撃性を増したヤリスと、通常のヤリスとの見た目の違いとなる。ボディカラーのバリエーションはなく、写真の通りホワイトのモデルのみ。

アピアランスとしては、同セグメントのホットハッチと比較しても、明らかにハードコアでアグレッシブ。同時に、どこかマニア受けしそうな少し癖のある雰囲気も漂わせている。トヨタが本気で取り組んだパフォーマンスの「カイゼン」は、優れた結果を導けるだろうか。

 

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