市販型に近い仕上がり

乗り込んでみても、このクルマが市販型からかけ離れているとは感じられないだろう。すべての機能が有効化されちるわけではないが、その仕上げはすでにテスラを超えている。ただし、タッチスクリーン嫌いにとっては4つの画面に囲まれるのは苦痛だろう。

デザイナーは「セダンというよりもむしろスポーツカーです」と語るが、4人の大人が快適に乗車できるスペースがある。ただし、身長180cm級のひとは天井に頭が当たるかもしれない。

ヘッドルームについては良いとして、パワートレインはどうだろうか?　アウディは正確な数値を発表していないが、0-100km/hは3.5秒、0-193km/hは12秒以下となり、航続距離は400km級となるようだ。テスラにも十分対抗可能な数値だ。

eトロンGTの走りを楽しむには、プッシュボタン式のギアセレクターでDを選択し、さらにチェッカーフラッグの描かれたボタンを押すだけだ。もちろん、聞こえてくるノイズはエスコートしてくれた白バイのエンジン音だけだ。ただし、乗っているのは引退した警官であり、取り締まりをサボっているわけではない。

最初の交差点を越えてみて、そのきしみ音の無さはコンセプトカーとは思えない仕上がりだ。モーター音は市販モデルほど抑制されえてはいないが、そのレスポンスは素晴らしい。

すべての画像をみる　全15枚