ジャガーXFスポーツブレークに試乗 良質 英国の伝統をモダン解釈
公開 : 2018.12.20 11:30
ジャガーXFスポーツブレークに南陽一浩が試乗しました。メルセデスやBMW、アウディにはない、独自の味わいとは、どのようなものかを探りました。グレードは「プレステージ」。250psを発揮する2.0ℓ4気筒インジニウム・ガソリンを搭載しています。
もくじ
ー わかりやすい「ギラリ」と無縁
ー ドライバーズシートに収まると
ー ジャガーだけに許された「滋味」
ー ハンターや愛犬家でなくても
ー ジャガーXFスポーツブレークのスペック
わかりやすい「ギラリ」と無縁
リアからのアングルはむしろ、ほっそりとスリーク。だが前から眺めるとグリルは立っているものの、フェンダーラインが今どき珍しく前下がりにスラントするので、その張り出しが強調されている。
このワイドさを感じつつ、下寄りに付いたヘッドライトと目が合った時、そのプロポーションから何となくCタイプを思い出した。
何よりXFスポーツブレークはちゃんと「ジャガーであること」を主張する。リアに向かって長く伸びるクオーターウインドウや2960mmものホイールベース長も手伝って、サイドビューも優美だ。
10数年前、レトロ過ぎるしジャガーらしからぬと批判されたXタイプのエステートより、ずっと伸びやかで、モダン・カントリージェントルマン然とした外観デザインは、なかなか好感がもてる。
ドライバーズシートに収まると
試乗したのはエレガント志向の「プレステージ」の方で、これとは別に19インチが標準でバンパー形状なども異なるスポーツ志向の「Rスポーツ」もある。
Eセグという車格とジャガー・ブランドのブレークとしては、個人的にはプレステージの方がバランスのいい選択肢と思える。
ドライバーズシートに座ると、水平基調のダッシュボードと幅広のセンターコンソールに、好ましい落ち着きとゆとりを感じられる。
オフホワイトのレザーの仕上げは視覚的にも質が高いが、ひとつ残念なのは、センタートンネルがハードプラスティックである点だ。膝頭の外が触れやすい部分だけに、ここは柔らかな素材で包んで欲しかった。
ステアリングやペダル配置といったエルゴノミー面は、さすが右ハンドル仕様の出来に瑕疵はない。
イグニッションONでせり上がってくるダイヤル式のATシフトセレクタに、少し面食らうものの、使い勝手は明らかだし、時計回りにDをセレクトして、走り出す。