試乗 VWポロGTI ミニJCW/ルーテシアR.S.への切り札は? 新価格348万円
公開 : 2019.01.05 08:10 更新 : 2019.01.05 12:59
2段階切り替え式 そのフットワークは?
先代モデル後期にも同様のダンパーが備わっていたが、ノーマルとスポーツでの乗り味の違いは、良くも悪くも先代ほど極端ではない。路面によっては切り替えたこと自体を忘れてしまいそうなくらいだ。この種のギミックは、クルマそのものの基本フィジカルが向上するほど差を演出しづらくなるもので、新型ポロGTIもそのケースっぽい。
実際、新型ポロGTIはどちらのダンピングモードでも、非常に硬質で躍動的なフットワークを見せる。ただ、本気でクリッピングを狙うように走ると、張りの強さより、しなやかさが勝つ調律は、ルーテシアR.S.でいうところのシャシースポール以上、カップ未満……といったところ。サーキットより日常域を重視しているのは明らかで、これはポロにかぎらずVWのGTIに共通する商品企画だろう。
もっとも感心したのは、硬質そのもののボディ剛性感だ。ところどころがヒビ割れた荒れた路面で、この大トルクを解放してもまったく音を上げないのはたいしたもの。
とにかくトルキーなエンジンなので、スポーツモードにして無遠慮に踏みつけると瞬間的に路面をかきむしるものの、そこから先はもがきながらも着実にトラクションがかかって前に進む。VWでいうXDS(=ブレーキLSD)と余裕のあるフロントサスペンション設計によるものだろうか。また、ブレーキも見た目はキャリパーが赤くなっただけだが、少なくとも食いつくような制動力に不足はない。