試乗 VWザ・ビートル・デザイン・マイスター 8年の集大成、2019年生産終了
公開 : 2019.01.06 08:10
「買い」か?
特別装備満載 お買い得モデル
ザ・ビートルが登場した時に、ニュービートルのコンセプトとは似て非なる物を感じた。ニュービートルはオリジナル・ビートルの多くの人が持っているイメージを現代的に具現化したモデル。一方、ザ・ビートルはオリジナル・ビートルそのものをモチーフに現代に再構築させたモデル。どちらがオリジナルに近いかといえばザ・ビートルである。ビートル原理主義的にはニュービートルは漫画的過ぎたかもしれないが、だからこそオリジナルに乗ったことも触ったこともない人に「カワイイ」と言わせる明快さがあったように思える。
後継モデルの有無には興味津々だが、生産中止を明言するのは後継モデルの可能性が低いことを言外に示しているように思えた。ならば、ザ・ビートルは失敗か。ニュービートルと商業成績の対比では厳しいが、少なくともクルマとしてはニュービートルよりも優等生である。それは単にハードウェアが新しいという意味ではなく、走行性能や使い勝手等の総合的なバランスに基づいてであり、減少した「カワイイ」(自説ですが)をカバーして十分過ぎるとも思える。
基本設計が古いため安全&運転支援は最新のVW車と比べるもなく、ACCやLKAはもちろんAEBSも装備されない。BSMとRCTA、ドライバー疲労検知等は装備されるが、一世代前の水準である。
その代わりと言っては語弊があるが、値付けはかなり魅力的である。純正ナビまで標準で303万円。ベースモデルとの価格差は25万円であり、特別装備だけでも買い得価格。もちろん趣味嗜好で選ぶタイプのクルマなので「気に入ったら」が大前提。また、マイスターは「デザイン」以外にも「Rライン」「2.0Rライン」にも設定。やはり買い得価格設定なので、レトロ系に興味のあるユーザーはチェックすべきである。