ロードテスト フォード・マスタング・ブリット ★★★★★★★★☆☆

公開 : 2018.12.29 11:40  更新 : 2018.12.29 23:16

 

はじめに ▶ 意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

結論 ★★★★★★★★☆☆

映画のアニバーサーリーモデル以上の魅力を備えた、アメリカン・ポニー

フォードが右ハンドル仕様のマスタングを初めて英国に上陸させてから3年が経つが、上質なスポーツカーというメインストリームとは一線を画す存在として、われわれも一目を置いてきた。3年前からアメリカ的なクールさを備え、大排気量のパワーが強く背中を押してくれる1台だった。

そしてマイナーチェンジを受けたマスタング・ブリットは、初期モデルのマスタングGTから様々な面でより良いクルマに成長している。しかしその反面、価格も上がってしまった。もはや5万ポンド(700万円超)に迫るプライスタグを下げており、先代モデルより多い星を付けることを躊躇してしまう。

冷静に客観的になれば、現実世界で発揮できるマスタングのパフォーマンスを考えれば、なぜこれほど注目を集めるのか、不思議にさえ思う。同価格帯のアウディTT RSの方が遥かに速く、改造車的なドライバーズカーの走りを披露するし、BMW M2コンペティションも速く、ハンドリングの面でも優れている。

しかし、このクルマから得られる類まれな体験、満ち溢れるエネルギーと五感に響く質感を、他のクルマで得ることは難しいだろう。マスタング・ブリットは、映画のアニバーサーリーモデル以上の魅力を備えたクルマなのだ。

担当テスターのアドバイス

マット・ソーンダース

限定生産のクルマとはいえ、シェルビーGT350譲りの吸気システムのようなメカニズムは、今どき珍しい。このクルマの特別な部分は何かと聞かれると、なにか具体的にこたえることは難しいけれど、好きにならずにはいられない。

サイモン・デイビス

独自の設定を登録できるドライビングモードの「マイモード」は、もう少し簡単に設定できたほうが良い。サスペンションやパワートレイン、ステアリング、エグゾーストシステムなどの変更には、別のモードに戻り、他のボタンで呼び起こす必要があり、複雑すぎる。

オプション追加のアドバイス

ブリットっぽくするには、ダークハイランド・グリーンの塗装がベスト。磁性流体を使用したアダプティブダンパーは標準装備。495ポンド(7万円)のエアコンで温度調整ができるシートは選んでおきたいところ。

改善してほしいポイント

・トラックモードを選択した時の排気音はもっとうるさいほうが良い。
・ドライブトレインの洗練性が足りない。
・標準セットとなるタイヤのグリップは不足気味。

 

はじめに ▶ 意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

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