AUTOCARロードテスト90周年(7) クルマの購入/所有の変遷、整備まで

公開 : 2018.12.23 10:10

今ではDIY自体がほぼ不可能に

こうなるとオーナーが自分で整備する経済的利点はおおきい。そういうDIY整備の手ほどきをしてくれる雑誌もたくさんあったし、整備技術の夜間講座だって珍しくなかった。

それにひきかえ電子技術の塊になったいまのクルマでは、DIY整備自体がほとんど不可能になってしまった。メーカーの診断ソフトが入ったノートパソコンをクルマのオンボード診断ソケットにつないで不具合を診断するのが普通だし、それでそのまま直してしまうこともよくある。

話は戻るが、昔の取説にしても腐り落ちたサイドシルに新しい部品を溶接する方法までは教えてくれなかった。新聞紙とボディ補修キットでつぎはぎして直せるというデマにまんまと欺されたひとも多かったことだろう。

30年ほど前、いやクルマによってはもっと最近まで、1台のクルマの寿命をもっとも左右したのは間違いなくサビだった。ボディの主要部分が侵されると、その修復費用が見あわなくなってしまうのだ。

だから機械部分の整備と同じで、クルマの下に寝そべってはサイドシルを削ってヤスリをかけて塗装しなおす、あるいはもっと状態が悪ければ新しい部品を溶接してもらうのも、必要にせまられてのことだったのだ。

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