AUTOCARロードテスト90周年(7) クルマの購入/所有の変遷、整備まで
公開 : 2018.12.23 10:10
10万km程度で骨格が腐食
1960~70年代にかけて英国全土で雨後のタケノコのように増えた零細溶接業者は、ボディ下回りの溶接にとどまらず、BMCミニや1100のサイドシルやリアのサブフレーム取付部の補修、そしてフォードやヒルマンのストラットタワーの補修などもおこなっていた。
当時の廃車置き場を覗くと、大抵のクルマのオドメーターの数字はせいぜい10万km台の前半くらいだったはずだが、ボディ骨格の腐食でとどめを刺されたのがほとんどだった。まあエンジンのシリンダー内はオイルまみれで、ギアボックスのシンクロも役目を終えていたかもしれないが。
そのエンジンやギアボックス、そしてディファレンシャルやドライブシャフトの耐久性も、冶金技術の進歩や機械加工の高精度化ならびにオイルの高性能化によって、1950年代のクルマからは想像もできないほどに向上した。
同じことはボディの造りにもいえる。1928年当時、英国のほぼすべてのクルマはフレームの上に鉄とアルミと木材、ひいては布まで使ったボディが載る構造だった。泥、雨、そして道路に撒かれた塩はシャシーだけでなく木材にも有害だった。