AUTOCARロードテスト90周年(7) クルマの購入/所有の変遷、整備まで
公開 : 2018.12.23 10:10
信頼性が格段に向上
それにクルマ自体も、われわれがオースティン・セブン・イングランド・サンシャイン・サルーンでロードテストをはじめた1928年とくらべれば手が届きやすくはなっている。
その当時セブンの価格は128ポンド(1万8000円)で、1934年の平均年収の67%に相当した。そしていま、セブンの遠い子孫といえる実用車ミニ・ワン3ドアの価格は1万5905ポンド(227万円)。平均年収2万7271ポンド(389万円)の58%だ。
また、新車を受けとってショールームを出たあとの話もかわった。
消費者の権利が拡大するとともにクルマの機械的な信頼性もあがり、またメーカー間の競争激化もあって、クルマに付随する保証も格段に手厚くなった。1970年代までは、勇躍マイカーを手にいれてもメーカー保証はせいぜい6カ月・1万kmほどで、おまけに腐食の保証などなかったのだ。
クルマ購入へのアプローチも、時代の流れで必然的にかわってきた。とはいえ、クルマそのものと支払い方法についてはだいたいがネットで情報を仕入れるのに、ほとんどのひとが依然として新車を正規販売店へ出向いて買っているのはちょっと意外な感じもする。やはりいざとなれば店頭で実物を確かめ、営業担当と向かいあった上で注文書にサインして買いたいのだ。
時代は変われど、変わらないものもあるということか。