自動車の書籍 クリスマスのお供におすすめの1冊は? 英AUTOCAR選出

公開 : 2018.12.23 07:40

「ジャパン・イン・ザ・パッシング・レーン(Japan in the Passing Lane、邦題:自動車絶望工場―ある季節工の日記)」

自動車の本なのに、読み終えてどっと疲れた。退屈な本という意味ではない。著者のルポライター鎌田慧が「精神がズタズタになりそうなくり返し作業」と表現する、1972~73年にかけて潜入体験したトヨタ季節工の実状があまりに生々しかったからだ。

苛酷な生活環境、あまりに粗末な大食堂の食事、痛む体にむち打って耐えしのぶ夜勤。彼は幸いにも免れたが、病にむしばまれ命を落とす者もいたという。日本の奇跡的な経済成長の裏側で築かれた死屍累々を浮かびあがらせた、つらく、だが一方でカローラのように燦然と輝く1冊だ。
(ジェームズ・ラパート)

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