自動車の書籍 クリスマスのお供におすすめの1冊は? 英AUTOCAR選出
公開 : 2018.12.23 07:40
「ウォッチング・ザ・ホイールズ(Watching the Wheels)」
2度のF1チャンピオンに輝いたデイモン・ヒルも、そこに至る道はけっして平坦でも輝かしいものでもなかった。幼少期から青年期、そして成人後にわたる彼の生きざまについて、詳細かつ実直に語られたこの自伝を読めば、ヒルがとても身近に感じられてくるだろう。
2輪でレースの道へ足を踏みいれた彼が四輪に移ったのは23歳のとき。ルイス・ハミルトンがF1王座を勝ちとるのとおなじ歳なのだ。それについてのたくさんの話もふくめ、ヒルの足跡はまさに驚くべきものだ。
(ダン・プロッサー)
レーシングドライバーの自伝では、いちにを争う傑作だ。わたしも伝記はそこそこもっているが、この本はなんども読み返した。
おすすめの理由はいくつもある。まず、どうひかえめに言っても、彼がいかにすぐれたレーサーだったかよくわかること。つぎに、とくに父の死にまつわる苦悩とレースへの情熱の源についての、冷徹なまでに正直な自己分析だ。3つめはしっかりした記述、そして確かな筋によればそのほとんどが自筆だということ。
最後は、ロンドンのオートバイ宅配業者でデイモンといっしょに働いたことのある身として、当時の話にこみ上げてくる懐かしさだ。
(コリン・グッドウィン)