AUTOCARロードテスト90周年(最終回) さらに90年後、2108年のクルマ像を予想
公開 : 2018.12.24 10:10
EVの進化の行く末は
冷戦時代のソ連が開発した地面効果翼機エクラノプランをご存じだろうか。機体や翼と地面とのあいだの気流現象すなわち地面効果(グラウンドエフェクト)を利用し、多数の兵員を乗せて水面すれすれを浮上し480km/hで飛ぶ飛行機だ。もっとも本領を発揮するにはいたらなかった。ソ連の資金不足、そして波があると飛べない欠点のためだ。
陸地ならそんな心配もいらない。超軽量車なら高速走行に地面効果を利用し、可変推進装置によって旋回し、低速でも浮上したままで減速できるだろう。まあ科学者や技術者にこんな与太話をしたところで、聞くに値しないと一笑に付されるだけだろうが。
たしかに話が飛躍しすぎたかもしれない。そこで今度は、2108年にあなたの孫が90年前のAUTOCARのバックナンバーを繰ってはばかにしそうな話をしよう。いまも目にする電気自動車にまつわる、これからの進化の顛末だ。
まず、2030年頃になれば技術も進歩して、航続距離や充電時間に関する話題が紙面を賑わすことはなくなっているだろう。そのかたわら、バッテリーの生産に欠かせない金属類の枯渇と採掘の問題が、バッテリー廃棄の環境コストとならんで深刻化する。