AUTOCARロードテスト90周年(最終回) さらに90年後、2108年のクルマ像を予想

公開 : 2018.12.24 10:10

空力や内装は大きく変化

もっとも車重は軽くなり、また空力性能も大きく向上するだろう。空力でクルマを地面に押しつける方法にしても、抗力を生んでしまうスポイラーを車体の上面に生やすのではなく、すべて下面でまかなうことになる。

それもディフューザーの類だけでなく、今から半世紀も前のレーシングカーではじめて使われた、車体下面から積極的に空気を吸いだす技術も用いられる。また状況に応じて左右のサイドシルからスカートが下降し、車体と地面のすき間をうめる方法もある。

内装のほうは大きく変わりそうだ。計器類はすべて仮想のヘッドアップディスプレイに投影され、操作はすべて音声かジェスチャーで行うことになる。スイッチ、レバー、ボタン、ダイヤルなども、いま当たり前のように目にする形ではなくなる。

クルマ自体が軽くなり素材の強度も高まることで重量挙げ選手の太ももほどもありそうな太い柱を立てずに済むので、車内空間もさっぱりと美しく先祖返りする。

そしてもちろん現在でいうレベル4自動運転のような、つまり完全にクルマに操縦をまかせてドライバーは他のことができるような自律走行も可能となっているだろう。もっともそれは高速道路や主要幹線道路、そして市街地中心部のようなところに厳しく限定されると思われる。まあどれも、運転を楽しむには向かない道ばかりだが。

おすすめ記事

 

人気記事