自動運転車の歴史 1920年代から現在まで 前編
公開 : 2019.03.09 05:50
クライスラー、クルーズコントロールを開発(1957年)
盲目のエンジニアであったラルフ・ティーターは1950年に、初歩的なクルーズコントロールで米国の特許を取得した。だが初期段階では、彼の技術はスピードリミッターの形でのみ使用された。
これはアクセルペダルの操作がなくなれば、運転中に居眠りするドライバーが増えるであろうとティーターが心配していたためである。しかし、自動車会社に技術を売却するにあたって、便利な機能として速度をロックする機能も追加した。
まずこの機能を搭載したのがクライスラーだった。1958年にラグジュアリーモデルのインペリアルに、「オートパイロット」というオプションとして搭載された。クルーズコントロールはさまざまな名前で呼ばれ、1960年代には多くのモデルに搭載されることになった。これはアメリカの地形の多くが、この機能を使うのに適しているからである。
アダプティブクルーズコントロールとは、一般的にはレーダーを用いて前車との距離を一定に保ち、ブレーキとアクセルを自動で制御する。初めて製品化されたのは1998年で、W220型のメルセデスベンツSクラスに搭載された。2003年にはホンダがより優れたシステムを開発した。
これは白線を認識するカメラを利用してステアリングを自動制御するもので、インスパイアに初めて搭載された。これはアダプティブクルーズコントロールと組み合わされることで、基本的なオートパイロットシステムを備えた初めての量産車となった。