史上最高のリムジンたち 空港送迎用から大統領専用車両まで
公開 : 2019.01.03 06:10
マイバッハ62(2002年)
戦前のドイツで、その豪華なモデルによってマイバッハの名は知られた存在だった。その後、第2次世界大戦中には、連合国に恐れられたタイガーなどの戦車向けに強力なエンジンを作り出している。
1960年以降、マイバッハの名はメルセデスが保有していたものの、実際に使用されることはなかった。
しかし、2002年、メルセデスはマイバッハの名を復活させ、その豪華でリラックスしたクルージング性能に相応しく、クイーン・エリザベスII世号のうえで62を公開しているが、全長6165mmのボディにもかかわらず、リアにはふたつのシートしか設けられていないのだから、その快適性は折り紙付きだった。
このクルマは単なる豪華なタクシーなどではなく、路上のプライベートジェットとでもいうべき、まさにスーパーリッチのためだけのモデルだった。
タイム・イズ・マネーを信奉するひとびとのためにパフォーマンスにも注意が払われており、614psを発揮する5.5ℓV12エンジンによって、62の0-100km/h加速はわずか5.2秒だった。
だが、ほとんどが覚えていないブランドから登場した62の販売は思うように伸びず、ショートホイールベース版の57の登場も、世界的な景気後退もあり、状況を改善させることはできなかった。
62/57とも、約3000台を販売したところで、2012年にはその生産は中断されている。現在、米国市場における62の価格は6万ポンド/10万ドル(1110万円)ほどとなっている。