試乗 リッチフィールド・アルピーヌA110 扱いやすさ維持、スリル増
公開 : 2019.01.09 10:10 更新 : 2021.05.13 12:00
どんな感じ?
爆発力をいつでも楽しめる
A110は小さく上品で繊細なクルマながら、チューニングで911の中級モデルと同じトルクウェイトレシオを手に入れた。ストレートでのパフォーマンスは爆発的で、加速中は空を飛んでいるかのようだ。
大切なのは公道でも、フルスロットルでの加速力を楽しむことができる点にある。このサイズと重量なら、400psもあれば高速で遠慮しなければならない場面も出てくるのだろう。
普通に乗っている限り、エンジンのソフトウェアが変更されているなどとは思わない。わずか200rpmから十分なブーストがかかり、4500rpmを超えたあたりからレッドゾーンまでは怒涛のダッシュが味わえる。7000rpmを超えないのは残念だが、超えたところでシフトアップ前の加速が冗長になってしまうだけだろう。スロットルレスポンスは標準のA110と同じながら、カミソリのようとはいかないまでも素晴らしい。
シャシは増加したパワーまできっちり受け止める。ウェットコンディションの中、2速で加速してもトラクションはすこぶる良い。 エンジンマップは変更されているが、LSDがなくとも気になることはない。A110にはブレーキを用いたe-デフが標準で搭載されているからだ。例えば2速コーナーの脱出時にはe-デフが作動し、リアのスライドを若干許容するものの、荷重のかかっていないイン側のタイヤも破綻することはない。