試乗 レクサスLFA、デビュー当時の評価は 価格に見合う魅力あった? 回顧録

公開 : 2018.12.29 07:40

超高回転型のV10エンジン

ただし、日本の外にいる人間がレクサスのクルマに期待するもの、つまりハイブリッドシステムは採用されていない。彼らがこのクルマで狙ったのは可能な限りピュアなドライビングエクスペリエンスなのだ。そのためには車重はぎりぎりに抑え込む必要があり、したがって電動式の駆動機構は当然ながら排除されたというわけである。

乗り込んでから20秒後には、わたしは長い間待たされた価値があると感じ(そして聞こえ)始めていた。560psで48.9kgmというスペックは、スーパーカーとすれば最低限の要件でしかないかもしれないが、この数字がLFAのV10エンジンの素晴らしさを十分に表現できているとはとうてい思えない。

9000rpmという掛け値なしの超高回転でレブリミッターが作動するまでまったくよどみなく吹け上がるこのV10の加速の立ち上がり方とシャープ極まりない音質は、まるで純然たるレーシングエンジンのようだ。

もっとも、ある意味ではまさにこれはレーシングエンジンである。なぜならエアリストリクターを除けば、この公道用LFAに搭載されたのは、レクサスが2008年と2009年のニュルブルクリンク24時間耐久レースにエントリーしたLFAに載せたものとまったく同じだからだ。そのうち1台は英国版編集部のスティーブ・サトクリフが今年のグッドウッドで走らせてもいるのだが、その顛末は続く記事にて紹介しよう。

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