試乗 レクサスLFA、デビュー当時の評価は 価格に見合う魅力あった? 回顧録
公開 : 2018.12.29 07:40
非現実的なギアシフト
公称値の0-100km/h=3.7秒という加速性能を発揮させるためにはめいっぱい回す必要があるが、それがドライブするうえでなんの負担にもならない。なにしろ6000rpmからの加速はまるでミサイルのようで、しかもその際のエンジン音は現在市販されているクルマのなかでも最高の部類に属する。
BMW M5のV10とよく似たサウンドだが音程はさらに高く、音量ははるかに強烈だ。その点ではむしろポルシェ・カレラGTが同類項として思い浮かぶ。このエンジンはヤマハとの共同開発だが、レクサスに期待されるスムーズネスと洗練性はそのままに生々しさと強烈さが加わったこの成果には、深い満足感を覚えた。
そしてギアシフトだが、そこにはさらに非現実的な体験が待っていた。レクサスはエンジンの回転に伴うイナーシャを最低限に抑えたかったので、ギアボックスにはシングルクラッチ式を採用した。しかし、このメカニズムはデュアルクラッチ式よりも積極的なシフトマネージメントが求められるわけで、しかもそれは「ちょっと」といったレベルではない。
LFAに用意されたシフトスケジュールは4種類で、オート/ノーマル/スポーツ/ウェットとなっている。オート以外ではそれぞれ7段階のシフトスピードが設定されているが、もっとも過激な設定での動作は凄まじい。