試乗 レクサスLFA、デビュー当時の評価は 価格に見合う魅力あった? 回顧録

公開 : 2018.12.29 07:40

ステアフィールには不満も

フルスロットルでのシフトアップはリミッターが動作する寸前かほぼ同時だ。非常に正確かつ敏速で、LFAは衝撃的な勢いで速度を上げていく。だが、最高速でアタックするような状況を除いて、たとえばサーキットを離れて普通の公道の速度で走らせる場合には、少々積極的過ぎるようにも感じられる。

一方、それほど過激でないモードではギアシフトは遅くなり、機械的負担も少なくなるのだが、動作そのものはそれほどスムーズではない。いちばんスローな設定でも、ときどきクラッチが滑っているような感触があるのだ。全体的に見て、LFAに関してあまり納得できなかった点がふたつほどあるのだが、このトランスミッションはその問題点のひとつだ。

もうひとつはステアリングである。なんとスーパーカーらしからぬ電動式アシストなのだ。確かに十分に正確でクイックなのだが、あまりに軽すぎるため慣れが必要だ。ホイールからの情報は確かに伝わってきているし、中立位置からそれなりにプログレッシブな手応えがあるものの、最高のスポーツカーたちが備えているような直接的な感触が、LFAのステアリングには欠けている。

加えて下部をフラットにした奇妙な形のリムのおかげで、さらに操舵がややこしくなっている。レクサスによれば、この形状によりステアリングホイールの軽量化が可能になり、より自然な操舵復元性が得られるとのことだ。

意図はよくわかるのだが、もしそうなら、なぜレーシングバージョンのLFAは普通の円形ステアリングを装備していたのだろうか? ただ、ステアリングに関するこの些細な疑問を別にすれば、LFAのハンドリングはサーキットでも公道でも実に素晴らしい。

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