試乗 レクサスLFA、デビュー当時の評価は 価格に見合う魅力あった? 回顧録

公開 : 2018.12.29 07:40

内外装の質感も良好

同様に、インテリアの作りもかなりものだ。トリムには本革とカーボンファイバー、それにアルミが組み合わされ、ハイテクなTFT液晶タコメーターが組み込まれている。さらに12スピーカーのオーディオも標準装備だが、通常のレクサスのものよりも小型/軽量に仕上げられている。

キャビンの起伏がどうなっているのか、あるいはドライバーとして大きく盛り上がったトランスミッショントンネルを横にした感覚や低い着座位置については、おそらく写真を見ただけではよくわからないだろう。

1980年代に逆行したような赤と黒のコンビネーションはあまり趣味がいいとは思えないが、しかしレクサスが普通のスーパーカーの定石に盲目的に従うのをよしとせず、独自の世界を狙った点は好ましい。ひと目で日本車とわかるデザインながら、スーパーカーに求められる勘どころはしっかりと押さえてある。

同様のことはエクステリアにも言える。カッコいいだとかスタイリッシュだとはお世辞にも言いかねるが、独特の魅力が確かにそこにはある。スポーツカーとしては異例だが、このクルマはディテールを子細に観察できる停止した状態のほうが美しく見えてくるシェイプだとわたしは考えている。

その一例が巨大なリアウイングで、リフトの抑制に効果的なのは事実だが、それよりも油圧で(それもSFのメカのような音で)動作する様子がなかなか感動的で、しかも機能的そのものだ。

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