スーパーサルーン対決 パナメーラvsラピード 感性で選ぶなら 回顧録

公開 : 2019.01.03 07:40

使い勝手ではパナメーラ有利

日常的な使い勝手ではパナメーラのほうがはるかに優れている。実際に後席に座って確認するまでもなく、パナメーラの室内空間が圧倒的に広いのはひと目で明らかだ。しかもパナメーラの優位はそれにとどまらず、操作性でもはるかに洗練されている。

ダッシュボードにガラス製のスターターキーを差し込む必要もなく(また紛失する心配もなく)、判読がむずかしいメーターや扱いにくいGPSナビゲーションに悩まされることもない。

さらにパナメーラはポルシェでも最高のインテリアを備えており、正真正銘のラグジュアリーと高品質感を味わえる場所に仕上がっている。飛ぶように流れ去っていく外の風景をここから眺めていれば、2000万円に達するプライスタグも十分に納得できるというものだ。

逆に、もう6年近く前になるDB9の発売当時からアストンのキャビンを知っている人間にとっては、ラピードの運転席の環境になにも驚くところはないだろう。操作性よりも見栄えを優先してデザインした印象が強く、それゆえすでに古さも感じられる。しかもライバルに負けているのはレイアウトだけではない。

座って見回せるすべての場所にポルシェはより多くのコストをかけ、そしてより優れたソリューションを考え出している。シートはより快適であり、ベンチレーションも効率的で、ヘッドランプの照射性もよく、ドライビングポジションの調節幅も広く、小物入れもたっぷりある。

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