自動車税改革 なぜクラシックカー分野が討議されないのか 海外事情は
公開 : 2019.01.01 09:10 更新 : 2021.10.09 23:32
未だ贅沢品扱い?
リースの伸張を鑑みて走った分だけ課税という声もあるが、自動車の使用税はそもそも走行量、つまり燃料の価格の中に含まれる税で賄われているという考え方もある。
保有税がゼロのフランスでは、リッターあたり1.48~1.65ユーロ(約193~215円)で推移するガソリンや軽油価格のうち、約60%が地方税をも含む税の割合となっている。
そこにガソリン/軽油とも数円分ほど、新たな環境税を加えて代替エネルギーへの補助/奨励金の財源としようとした改革に反対して、「イエロー・ジャケット」のデモや暴動が起きた。
日本の燃料税もほとんど似たシステムで、1ℓあたり53.8円を税が占めており、国税である揮発油税と地方揮発油税が、石油ショック以来ずっと本来の2倍もの暫定税率のまま来ていることはご存じの通り。
受益者負担の原則に基づく道路特定財源として、地震国の道路インフラを維持する必要性は当然ある。だが車検の度に払わされる自動車重量税という、国が徴収する間接税で同じく地方の道路財源に回される税も存在する。
一方の自動車取得税にしても、旧来は物品税という贅沢品に課せられていた取得税から来ているが、平成元年の消費税導入まで、物品税は乗用車以外では宝石やゴルフクラブ、洋酒などに適用されていた。
平成がそろそろ終わりを迎える今、乗用車はとくに地方では生活必需品であるのに、未だ贅沢品扱いの感覚には失笑を禁じえない。
それなのに消費税と自動車取得税は今も二重課税がまかり通っていて、改訂されたら車両価格に対して、それぞれ消費税10%+自動車取得税3%=13%という税率にまで上るのだ。