ロードテスト メルセデス・ベンツXクラス ★★★★★★★☆☆☆
公開 : 2019.01.05 11:10
乗り味 ★★★★★★★☆☆☆
メルセデス・ベンツはXクラスをオフロードにも耐えうる堅牢なピックアップでありながら、都市部で暮らす家族にも適したクルマだと主張している。しかし、その言葉は鵜呑みしないほうが良いだろう。確かにライバルと比べれは、普通のクルマに近いとはいえなくもないけれど。
ステアリングが重いということはないが、ロックトゥロックは3.4回転で、かなりスローな設定になっている。思った通りにクルマの向きを変える場合、通常の感覚以上にステアリングを回す必要がある。ピックアップ・トラックなら一般的な設定だが、Xクラスは平均よりも運転しやすいとは思う。ただし、トヨタ・ハイラックスの方がよりレスポンスに優れ、ダイレクトなフィーリンがあることも確かだ。
ワインディングを走っても特に楽しい部類ではないものの、積極的にコーナリングしても、大波に翻弄される小舟のようなことにはならない。明らかにボディは前後左右へ大きく傾き、かなり強引にスタビリティコントロールも介入はしてくるが、フロントタイヤのグリップ力に不足は感じられないからだろう。
加えて乗り心地は、洗練されたサスペンションのおかげで、良好といえるレベル。空荷状態でも、激しく揺さぶられるというようなことはないが、荒れた路面を走行すると、パタパタと後輪が暴れるような振動は伝わってくる。しかし我慢が必要というほどでもなく、重い荷物を詰めば改善すると思う。
高速道路での振る舞いも、Xクラスは商用車という雰囲気は薄い。ディーゼルエンジンのノイズはしっかり聞こえてくるものの、快適で落ち着きを感じられる乗り心地を味わえる。とわいえ、一般的にSUVと呼ばれるクルマの水準と比較すれば、明確に劣っていることは間違いないけれど。