スーパーカー対決 フェラーリ458イタリアとライバルたち 回顧録 前編

公開 : 2019.01.03 17:10

パワーウエイトレシオで劣る911

458のV8は回転の上がり下がりがクイックなのだが、エグゾーストの吹き鳴らす音ばかりが響いて純粋にメカニカルなサウンドという点ではレクサスに一歩譲る。ただし、フェラーリのエンジンは458のデュアルクラッチトランスミッションとの組み合わせでほとんど瞬時のギアチェンジが可能になっており、その時のサウンドは、反応で劣るLFAのシングルクラッチよりも機敏さにおいて優っている。

さてノーブルは、いかなる基準をもってしても音の大きなクルマであることは間違いないが、この2台が相手となるとちょっと旗色が悪い。前の2台の咆哮が一段落していて、しかも911のエンジンがレッドゾーン近くにない時にしか、前方のターボ過給4.4ℓV8のサウンドを聞くことはできない。

幹線道路を走っている間は911 GT3 RSの450psを使い切る機会はほとんどなかったが、道路が空いてきて前方の3台が地平線の彼方へと目標を定めた時には、ポルシェも準備は整っていた。今回の中では最軽量ではあるものの、同時に最高出力が500psに満たない唯一のクルマでもあり、つまりそれはパワーウエイトレシオでビハインドを持つことになる。

そしてフェラーリやレクサスと違って、一度に数段シフトダウンする際には指一本でというわけにはいかず、動力性能を活かし切るには乗り手のほうにもそれなりの仕事が必要とされる。マニュアルでのギアシフトにはしっかりした手と、それ以上にしっかりした足が必要だ。

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