スーパーカー対決 フェラーリ458イタリアとライバルたち 回顧録 前編
公開 : 2019.01.03 17:10
快適性は皆無
その理由は、スロットルの調整が適切になされており、さらに極低速でのわずかなターボラグを別にすれば、レスポンスは意外なほど見事にリニアなものであるからだ。
もっとも、だからといってM600の強烈な動力性能を忘れることなどあるはずがない。高速道路を巡航する程度の速度でトップギアに入れていたとしても、ごくわずかにスロットルを開いただけでクルマは加速を始める。キャビンも純然たるスーパーカーである。
それはスイッチ類の操作が嫌になるほど重いからではなく、実際にブレーキを別にすれば操作系は決して重すぎることはないのだが、ただキャビンからの外の視界が絶望的なほど狭いのである。もっとも正直に言って、M600に乗って快適にリラックスしたいというのならそれはお薦めできない。
ブレーキにサーボアシストもなければアンチロックもなく、そして搭載するエアバッグの数がまったくのゼロであることは、その理由の一部でしかない。このクルマに乗ったなら、とにかく運転に集中し専念するのが正しい態度であろう。