小型スポーツカー対決 ロータス・エリーゼとライバルたち 回顧録

公開 : 2018.12.31 10:40

値上がりに見合うか

いうなれば、現在の水準で測るなら妥協の産物としか評価できないキャビン品質、リファイン、動力性能のエリーゼを、510万円もの車両価格がはるかにパワフルではるかに実用性に優れたライバルたちがひしめく上位セグメントへと押し込んでしまっているのだ。

最新のエリーゼは、果たしてそこまでランクアップした価格帯を正当化できる仕上がりなのか──われわれがノーフォークのカントリーサイドを訪れたのは、それを見極めるためである。136psの1.6ℓエンジンを搭載したエリーゼとともに連れてきたのは、327ps(日本仕様は336ps)の日産フェアレディZと265ps(同256ps)のVWシロッコRだが、どちらもオプションを追加したエリーゼより価格が安い。

そしてさらにもう1台、費用対効果の指標として、わずか160psながら車両価格は286万円と格安のマツダロードスターRS RHTにも参加してもらうことにした。

同等の価格で2倍近いパワーを備えた高性能なライバルたちにエリーゼは勝てるのか。それともむしろはるかにシンプルで廉価なロードスターのライバルとみなすべきなのか。判明するまでにそれほど時間はかからない。それと同時に、約500万円の価格帯で最高のドライバーズカーはどれなのかという問いにも答えが出るはずだ。

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